塗装工事

外壁等塗装工事

塗装工事の目的はコンクリートの保護と美観の維持にあります。大規模修繕工事においては、新築時および過去の塗り替えに使われた材料を把握し、材料の選定をしなければなりません。また、既存の仕上塗材の付着強度がない場合は塗り重ねではなく、既存塗膜の除去を検討しなければなりません。しかしながら、実際の建物には健全な付着状態にある箇所と、脆弱な箇所があるため、既存塗膜の処理方法は慎重に判断する必要があります。

外壁などの仕上塗材は、主剤のうえにトップコートを塗り重ねる「複層塗材」が、仕上げパターンや光沢の自由度から採用されるケースが多くなっています。トップコートは樹脂成分により、耐候性の順(金額の順も同様)に「アクリル系」「ウレタン系」「アクリルシリコン系」「フッ素系」などの種類に分類されます。また、それぞれシンナーで希釈する溶剤系と水で希釈する水溶系に分類されますが、マンションの大規模修繕工事では、臭気の問題から一般的に水溶性や弱溶剤が採用されるケースが多いです。

色彩計画は新築時の色彩を踏襲する場合は、前後色を含め3パターンくらいから、居住者へアンケートを行い、決定するケースが多いです。外観の色彩を大幅に変更する場合は、景観条例に注意するとともに、トラブルにならないよう、たとえ色彩について理事会に一任されていても、総会決議とすることが望ましいです。

主剤のパターン付けや塗布量について試験施工を行い、職人ごとの品質のバラツキを生じさせないよう現場管理をすることが塗装工事のポイントです。

鉄部等塗装工事

鉄部などの塗り替えは、一般的に5~6年程度の周期で実施するのが望ましいとされています。しかしながら、雨掛りか否かなど、対象部位の環境条件によって、実際に塗り替えを必要とする時期は異なります。塗装表面の樹脂が劣化し、塗料中の顔料がチョークの粉のようになる「チョーキング現象」が現れると、塗り替えのタイミングです。錆が進行すると塗装できなくなる場合もあり、注意が必要です。

鉄部の塗り替えは「ケレン」「下塗り」「中塗り」「上塗り」の4工程が基本となります。
玄関扉の枠の塗装は在宅が必要なため、下塗りと中塗り兼用の錆止め効果がある塗料を使用して3工程にする場合もあります。塗料は有機溶剤(シンナー)で希釈するため、臭気が発生します。化学物質に対してアレルギーがある方には、SDS(安全データシート)にて説明を行い、お部屋近くの塗装時には事前連絡をするよう配慮が必要です。

施工方法としては、一般に細かい部分は刷毛塗り、広い面はローラー塗りとなっています。エレベーターの扉など美装性が要求される場合は、スプレーガンによる吹付け工法が採用されます。

鉄部塗装では、特にケレン作業(錆落とし)が重要です。塗装面の傷、錆、汚れなどの付着物を皮スキ、ワイヤーブラシ、サンドペーパー、ディクサンダーなどを使用して丁寧に除することで、塗料の密着感や仕上がり感を良くなります。旧塗膜の状態で、第1種から第4種ケレンまで定められていますが、通常の塗り替えでは第3種か第4種ケレンが一般的です。